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肩こりと鍼灸


<肩こりの成因> ①筋肉疲労による肩こり:肩こりの成因として最も多いものです。常に頭部や上肢を支えるために負荷がかかっているため頚部や肩甲骨周囲の筋肉が疲労するためです。なで肩・猫背など不良姿勢も肩こりの要因となります。 ②整形外科的疾患:頚椎症・頚髄症・後縦靭帯骨化症・頸椎椎間板ヘルニア・五十肩・胸郭出口症候群などがあります。 ③整形外科以外の疾患:肺疾患・心疾患・胆疾患・耳鼻科疾患・眼疾患・咬合不全・更年期障害などによるものがあります。 ④ストレスなど精神的緊張で起こる肩こりもあります。

👉ここでは、筋肉疲労による肩こりについてお話します。

<筋肉の緊張と痛みの悪循環> 頸や肩の筋肉の緊張が強くなると、その部位に循環障害が起こり、乳酸やカリウムなどの代謝産物が蓄積し、感覚刺激(痛みやコリ)となってさらに筋肉の緊張をもたらすという悪循環を形成します。

<肩こりポイント>

解剖学的に左図の肩こりポイントでは、周囲の筋肉を栄養する血管や神経を圧迫しやすくなっています。そのためこの付近が肩こりの原因となる特異な部位であり、治療点としても重要な部位となっています。

<肩こりのエビデンス> *我が国の研究にて、(渡邊・佐々木・太田ら)鍼にて肩こりの高度は改善され、柔らかくなることが明らかにされています。臨床的効果についての研究(Nabeta、今井、古屋)においても、肩こり感や圧痛に効果的なことが示されています。 参考文献)編者 川喜多 健司・ 矢野 忠 2020年1月10日発刊 鍼灸臨床最新科学ーメカニズムとエビデンス 発行所 医歯薬出版株式会社

<西洋医学的鍼灸治療> 触診や問診にて、痛みやコリの部位(筋肉)を特定し治療を行います。肩こりの悪循環を改善し、筋肉の緊張を取り除いていきます。

<東洋医学的鍼灸治療> ①経絡の滞りに対する治療肩凝りの存在する筋肉を特定し、その筋肉が通る経絡にあるツボを使って治療します。②外感病(風・寒による表部への侵入)内傷病(眼精疲労・産後の肥立ちの悪さなど)への治療肩凝りの基本のツボと外感病や内傷病に効果のあるツボから適切な治療穴を選び、治療していきます。

👉筋肉の血流を改善して緊張をやわらげるのに効果的なこと *肩や首を優しくさする、圧迫するなど適度なマッサージを行なってみよう。*お風呂に入って身体を温めたり、蒸しタオルを当てて肩を温めよう。*筋肉疲労の回復のため、たんぱく質を多く含む食品(肉、魚、卵、大豆製品など)や、ビタミンB群を含む食品(豚肉、ウナギ、マグロ、玄米など)を食べよう。*パソコンなど同じ姿勢を長い時間続けないよう気をつけよう。時々休憩を取り、首を回したり、肩を上下に動かしたりしてみよう。

🌷当院での肩こり治療 西洋医学的には硬結や痛みのある筋群を中心に治療をおこないます。局所の血流改善痛み物質の排出を促し痛みとコリを改善していきます。全身状態を拝見し、東洋医学的側面からもアプローチしていきます。特に冷えなどに起因する肩こりに関しては、鍼だけでなく様々なお灸や遠赤外線など使用し効果的のアップを期待していきます。症状が強い場合には、電気(パルス)を使用した治療も併用していきます。肩こりの治療を中心に行いますが、身体全体の状態を整えることも考えながら治療に当たります。


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